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能力不要の知識受け入れ法『素読』

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読書の画像

 先日、数年ぶりに酷い風邪をひいた絵空です。一人暮らしなのでどんなに辛くキツくとも誰にも頼る事が出来ず、久々にセンチメンタルな寂しさを味わいました(笑)

さて、今日は『素読』についてです。ソドクと読みます。

読書が良いとはよく聞くものの、なかなか読み切るって大変。

そんな人におすすめしたい一つの読み方です。良い事を始める時には障害となる物は極力減らそう、という事で早速。

誰もが知る良い習慣「読書」の力

 本題に入る前に、人生を好転させる『習慣』についてお話します。結論から言ってしまうと、『読書』の事です。多くの方が言っているように、本を読む習慣には人生を変えてしまう力があります。

世の中に数多く出ている書籍ですが、この内容の多くは先人達の叡智の結晶です。

経験、知識、情報、考察を用いて、先人達が書いた物です。その本を読むのですから、自分の人生にとってプラスになるのは誰もが認めるところだと思います。以前に書いた語彙力の向上にも、読書は非常に有効です。

分かっているけど大変な読書

しかし、「本を読むのは苦手で……」、「活字を見ると眠くなる」、「買ってはみるものの本棚に積まれている」といったように分かってはいてもなかなか身に付かないのも読書です。

自分には合わないと、諦めてしまう人が多いのも事実。時間もかかるし、何より疲れます。自分の知らない事を知る為に読むモノなら、内容も難しくなり、尚更です。

素読という読み方

そんな時に試して欲しいのが『素読』です。この『素読』という読み方。本や活字が苦手でも大丈夫なのです。当然、内容を理解する能力も前知識も要りません。

素読とは?

実はこの『素読』という読み方は、学校の前身である寺子屋で積極的に取り入れられた学習法です。

意味を理解するのではなく、ただ朗々と音読するという手法。論理的に読み解く事はせず、ただ流れるように音で文章を読む読書法です。

読書初心者にお勧めの素読メリット

この手法の良いところはまず、疲れません。分からない所が出てきても調べる必要はありません。ただ読むだけで良いのです。

場合によっては声を出す必要すらないでしょう。私たちは黙読する時も無意識に脳内で音声にして読んでいます。私はほとんど黙読ですが、頭の中でしっかりと音を掴み、読めば事足りると思っています。

読書の難しい所はなんといっても意味を理解しながら読む所にあります。

ただでさえ知らない情報を得る為に読んでいるのですから、その読みにくさは計り知れません。しかし、素読ではそのとっつきにくい枠を外し、一転して気楽に読む事が出来るのです。

ただ音読するだけなので、知識も能力も要りません。分からないところがあればとりあえず飛ばして進みます。

やってみると分かりますが、読む事に費やすエネルギーが減り、楽に、簡単に読み切る事が出来るでしょう。

ただ読み上げるだけ、と聞けば自分にも出来るという気がしませんか?

実はすごい! 素読の学習効果

意味を理解しなければ読書をする意味がない。もちろんそういう意見もあると思います。ですが、そもそもこの『素読』は学習法の一つ。

いかに意味を理解する事をせずに読み進めようとも、自然と知識として定着する秘訣がこの『素読』には秘められています。

フレーズとして耳に残る文章本来の力

まず、音として文章を捉える事で親しみを持つ事が出来ます。文章というのは大概、音韻が心地よく描かれている物です。

それを音として耳で感じ取る事で文章に対する抵抗が減り、長く記憶に残るようになります。

夏目漱石の「吾輩は猫である」は、読んだ事がない人でも、その耳に残る冒頭の一節は誰もが記憶に留めていると思います。文章には本来、耳に残るフレーズ要素が含まれているのです。

調べれば知る事の出来る時代。だけど…

また、現代において、情報は調べればすぐに知る事の出来る物となりました。言ってしまえば、学校で先生にいつでも答えを聞く事が出来る状態です。

それと同じで、本を読んでいても分からなければ、分かりやすい答えを先生の代わりにgoogleで調べます。時間も労力もかけて一生懸命に。

結果、一冊を読み切る時間は長くなり、少しは分かった気になって読み切る事が出来るようになりました。

しかし、どうでしょう。答えを見ながら問題集を解いただけで解ったとは言えないのと同じで、この方法ではどうしても長期的に自分の知識となる量が減ってしまいます。

試しに調べてみると、読んだだけでは人の記憶には概ね10%程度しか残らないというのが通説のようです。

その、現代の読書の難しさとも言える点でも、素読がもたらす効果は絶大です。

じんわりと効く『素読』の効果

『素読』は文章本来の規則性や音韻などを記憶に留め、時間の経過、読者の成長と共に度々思い返される事で理解を育む学習法です。

引っ越しの際、役所の手続きなどで新しい住所を何度も思い出しているうちに覚えてしまうことがありますよね。

素読はその時点では分からなくとも、フレーズを事ある毎に引き出しながら、後々こういうことだったのかと理解する。自身の中に蓄積され、成熟させていく学習法なのです。

また、書籍は読み進めていくうちに答えへ辿り着けるように工夫された物が多く、いちいち調べるよりも、最後まで一度読み切ってしまった方がかえって近道の事もあります。

なおかつ読み切ったという強烈な達成エピソードは記憶にも繋がりやすい。実は調べながら一生懸命に読むよりも、効率的な読み方なのです。

始めてしまえば『読書』は面白い!

 読書は本来楽しいものです。作者側もあの手この手で読者を楽しませようと試行錯誤しているから当然と言えます。『素読』によって文章を読む事への先入観、誤解をなくしてしまえばこちらのもの。後は楽しい読書ライフが待っています。

 また、『素読』の本来の姿には、何度も読むという過程があります。学習法が元なので、より記憶に残りやすく、学習の過程として役立てる為のプロセスです。読書が既に習慣付いている方にも一定の効果が認められる事でしょう。

まとめ

 何か変えたいなと思った時に一番手軽なのが本を読むことです。しかし、何かとハードルが高いと思われがちで、嫌煙する人も多い。

 そんな読書も、『素読』のような手法を使う事で難しく考える事無く、いくらか気を楽にして始める事が出来るのではないでしょうか。

ただ読むだけなので、能力も知識も不要です。やってみようと思うだけで確かな一歩を踏み出す事が出来ます。

読んでいる今、全てが分からなくてもいいのです。確かに残ったその経験は、確実に自分の中に蓄積されていきます。

まずは始めてみる事。それも楽に始める事。最初は楽して良い。難しく考える必要はなく、分かる時になれば分かると割り切って読み始めるのも一人の読者の誕生として、素敵な事ではないでしょうか。

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