こんにちは。絵空です。
自分の人生をプランニングするのは難しい。かく言う私も「やりたい事がみつからない」時期が長かった一人です。
人生に対するモチベーションや、目標があった方が良いとは思うものの、なかなか見つける事が出来ないのも事実です。そこで、今回はそんな人生を見つめる指標となる『memento mori――死を想う――』というお話。
もしも今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは 本当に自分のやりたいことだろうか?
If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
Steve Jobs (スティーブ・ジョブズ)
memento mori とは
「memento mori――メメント・モリ」とは、ラテン語で「自分が必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句です。宗教的な意味合いもありますが、ここでは後述の意味合いでの使い方を指してお話します。
死は全ての人に平等に訪れるものです。いつ訪れるとも知れないその死を意識する事で『現在を全力で大切に生きる』という考え方。
それが「 memento mori 」です。
死を想う事によるメリット
死について考える事にはあらゆるメリットがある事が研究により分かっています。ある研究によれば、学生に「思ったより自分の人生が早く終わるとしたらどんな心理的影響があるか」などの死についての文章を1週間毎日書くように指示した結果、下記のような効果があったとの事。
- モチベーションの向上
- 自己肯定感の向上
- 思いやりや協調性の向上
- ストレスレベルの減少
死を意識する事で精神的にポジティブな影響があったとの結果です。
いつか来る死という終わりに行動に対する意欲が増すのか、内発的動機の増加が見られた。
自己肯定感の向上の要因は、死の意識により自分自身の内側の価値観を知ったからでしょうか。自分をより知る事で、自分はこんな考えを持っていると自分自身を評価できます。
また、死という不安を考える事で、自分や他者の苦痛を和らげる欲求が減るとされています。嫌だなと思ったら人にもなって欲しくないというものですね。
ストレスレベルが減る効果も確認されています。よくポジティブワードを書くなどのポジティブシンキングがありますが、逆に死などの不安要素について書く事でも精神の安定には効くとの事です。
別の実験ではバスケットボールの選手に「死についてどう思うか」を書いてもらった結果、パフォーマンスが上がったとの結果が出ています。
死について考える事で「いつか死ぬのだから今を全力でやりきる」と意識が働くとされています。
以上のように死について考えると様々なメリットがある事が分かっています。
- モチベーションの向上
- 自己肯定感の向上
- 思いやりや協調性の向上
- ストレスレベルの減少
- 運動能力の向上
死を想い今を見つめる
- もし、明日自分が死ぬとしたら何をしますか
- もし、1週間後に自分が死ぬとしたら何をしますか
- もし、半年後に自分が死ぬとしたら何をしますか
- もし、1年後に自分が死ぬとしたら何をしますか
- もし、5年後に自分が死ぬとしたら何をしますか
- もし、後10年生きられるとしたら何をしますか
あなたは生きている間に何がしたいですか
上記の質問を順番に答えていくと、人生の幅に気付く筈です。1日で出来る事は少なく、10年の間にできる事は大きい。しかし、その事を意識して今日1日を生きている人は少ない。
死という確実に訪れるリミットを意識する事で、自分が人生の終わりまでに成したい事、やりたい事が浮き彫りになります。
冒頭で引用させて頂いたスティーブ・ジョブズ氏の言葉。
「今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしている事は本当に自分のやりたい事かどうか」を考える事は人生の選択をする際の大きな道標となります。
昨今では自分の可能性や夢を諦めてしまう人が多いのかもしれません。そして、それはある意味では正しい事でもあるのかもしれません。
しかし、自分の死を想い、自分の最後を思い浮かべてみる。自分の葬式に並ぶ人々。その人達が口々に何か故人を偲ぶ言葉を告げていく。
その時自分はどんな言葉をかけられ、どんな気持ちで見送られていくのか。一生に一度しかこない最後の時をどう迎えたいのか。
人生の最後に後悔をしない為にも一度は考えてみて欲しいと思います。
まとめ
死について考える事はそれ自体に5つのメリットがあります。
- モチベーションの向上
- 自己肯定感の向上
- 思いやりや協調性の向上
- ストレスレベルの減少
- 運動能力の向上
また、死について考える事で『今』という時間の大切さと自分の価値観に意識を向け、何をするべきか、何が自分の成したい事、やりたい事なのかを浮き彫りにする事が出来ます。
これが「memento mori――メメント・モリ」いつか来る死に向けて今を全力で生きるという考え方です。
人生の方向性は簡単には見つからないかもしれません。それでも一度、自分の最後について考え、こういう終わり方をしたいと想い、行動してみる。
人生の時間全てを使った盛大な終活をしてみるのも一つの選択肢となるのではないでしょうか。