昨今の緊急事態で急速に増えた在宅ワーク。その中で、自宅での作業で「なかなかやる気が出ない」「仕事が進まない」そんな方も多いのではないでしょうか。それは『報酬による動機付け』の問題かもしれません。
人は報酬によってやる気が出る生き物ですが、同時にその報酬が正当に得られない状況ではやる気が下がってしまう。今回はそんなやる気の低下を防ぐための、報酬の考え方についてです。
コロナウイルスのような世の中の問題は私達にはどうにもできませんが、自分のやる気や仕事の進め方であればなんとか出来る。
大変な今だからこそ、出来る事をやり切って一緒に乗り越えていきましょう！
なぜ在宅ワークはやる気が出ないのか
仕事場では真面目に仕事をこなせるのに、在宅ワークではどうもだらけてしまう。いつものように仕事が進まない。これはなぜ起こるのでしょうか。
その原因の一つに『外的報酬』という考え方があります。
外発的報酬が原因
金銭や食べ物、他者の評価や名誉といった外部から与えられる報酬の事です。
私達の社会は現在、学校教育の時代から外的報酬に基づいたやる気の出し方を基本としています。
学校時代では先生に評価を付けてもらっていました。それは社会人になってからも続き、多くの人が、上司に働いている姿や成果を見てもらい、それによって評価が決まり、報酬が決まる。私達の多くは、そんな生活を送っています。
良くも悪くも他者から評価されることで、それに応じた報酬を得る事が当然の社会で私達は暮らしています。
そんな中で、突然一人で仕事をする環境に投げ出された時、多くの人は評価者がいない事に困惑してしまいます。自分を評価する人がいないだけで不安になったり、自分に甘くなったり、様々な反応を引き起こすのです。
報酬を得られない（褒める人がいない等）、やらなくても報酬を得られる（サボってもバレない）などの場合に著しくやる気が下がってしまう。
実はこれが普段は気にならない『外的報酬』のデメリットなのです。
では、そんな外的報酬の罠から逃れ、在宅ワークという環境でも自分の能力を十二分に発揮する為にはどうすればいいのか。
そのヒントはもう一つの『報酬』にあります。
もう一つの報酬
人がやる気を感じる報酬には先述した『外的報酬』と「内発的報酬」の二つがあります。
内発的報酬とは
達成感や幸福感といった心の満足感をもたらす報酬の事です。
好奇心や達成感を満たしてくれる成功体験や経験。正義感や使命感を満たすやりがいや、志などの感覚やそれを引き起こす行動。それが内発的報酬です。
物的な物や他者からの評価ではなく、自分の内から自然と湧き上がってくる感情的な報酬とも言えるでしょう。
心理学の世界ではよく『内発的動機づけ』という言葉とセットで出てきます。
こちらについては「長期的なやる気を引き出す内発的動機付け」で説明しているので気になる方はこちらもご確認下さい。
ぶれないやる気を創る内発的報酬
この内発的報酬。自分の内から湧き出る感情の為、環境の影響を受けにくいという特徴があり、特に一人での仕事の動機付けと相性が良いです。
仕事をする中で、自身の成長や、達成の感覚を得る事で自然と次の仕事へと打ち込んでいく。著名な経営者や起業家の自伝なんかに良く出てくる志や情熱、仕事を好きになれ、という文句は恐らくこれの事です。
一度見出してしまえば特に他人の目や明確な報酬が無くともパフォーマンスを維持して常に一定の仕事を続けられる。
それが内発的報酬を意識する大きなメリットです。
内発的報酬の見つけ方
自分はそんなに仕事が好きじゃない。内発的報酬なんて見つからない。そんな時はどうすれば良いか。まずは自分の中を探してみる事を強くおすすめします。
内発的報酬は誰もが持つ心の在り方そのものです。仕事を通じて体験する経験や感情。正負の違いはあるかもしれませんが、全く無いという人はいないと思います。
その日々感じる感情の中で、出来るだけポジティブなものを探してみましょう。その中でも下記のモノは分かりやすく、やる気の維持に繋がりやすいです。
- 好奇心
- 達成感
- 自身の成長
- 他者への貢献
内発的報酬は人によって異なって当然のモノ。ちなみに私は自身の成長が一番の報酬になっていると感じています。
この報酬に気付くと、文字通り仕事が面白くなります。当然良いことばかりではないでしょうが、少なくとも全てが自分の為になっているという感覚が生まれ、他者に振り回されるだけということはなくなると思います。
まとめ
在宅ワークでやる気を保つためには『外的報酬』から『内発的報酬』へと意識を移す事。他者に与えられる報酬ではなく、自分の内から湧き出る報酬に目を向ける事が大切です。
それは同時に、自分自身と向き合って、自分に正直に生きる事にも繋がります。
様々なニュースや事態が飛び交うこの世の中で、自分自身の真の報酬を見つけ、状況に負けずに生きていく。
そんな人が増える事を祈って。今日はこの辺りで筆を置かせて頂きます。
読んでいただきありがとうございました。