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人生の後悔を緊急回避『バイアス(認知の歪み)対策8つ』【初級】

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こんにちは。絵空です。

人生における後悔の原因の一つが『バイアス(認知の歪み』です。簡単に言えば思い込み。私達は知らず知らずのうちに、バイアスに囚われて日々の選択に迷ったり、悩んだり、間違えたりしてしまう生き物です。

スーパーで100円の差を気にする方は多いですが、車を購入する際に100円の差を気にする方はいない。小さな事と思うかもしれませんが、この場合、100円の価値はどちらの場合も同じです。

また、「失敗した。次もどうせ上手くいかない」「この株は今後絶対に上がる!」など、極端な不安・劣等感や自信を持ってしまうなど、重要な決定に関わる感情もバイアスの影響を受けています。

このように私達は程度の差や経験、周囲の状況などで物の価値や、思考、感情ですら左右されてしまう生き物です。これは人である以上は仕方のない事ですが、どうせならば歪みを矯正して後悔のない選択をしたい。

そこで今回は簡単に出来るバイアス対策8つをご紹介します。

まずは知る

まず、人は認知バイアスに陥りやすい事を自覚する事が大事です。
バイアスの特性上、自分は大丈夫だと思っている人程、認知の歪みを発生しやすい傾向があります。

人である以上、偏見や状況による認知のズレがある事を肝に銘じ、自分や他者の陥りやすいバイアスについて学ぶこと。これが第一歩となります。

人はどんなバイアスに陥りやすいのか。また、自分はどんなバイアスに陥りやすい傾向があるのかを理解し、習慣的に学び、気を付けていくだけで一定の効果が見込めます。

後悔しない選択をする為の『バイアス(認知の歪み)リスト ≫も作成していますので、どんなバイアスの種類があるのか気になった方はこちらもご確認ください。

全体から細部へフォーカス

人は全体から物事を見つめるのが苦手です。
大きく物事を捉えた時、人の思考は3つのバイアスに陥りやすいです。

  • 選択肢が多い程決められない・新しい視点を持てない
  • 自信過剰、又は過小に陥る
  • 完璧主義(0 か100か)に陥りやすい

選択肢が多い程決められない・新しい視点を持てない

コロンビア大学の実験の中で、選択肢は多い方、少ない方どちらが良いのかを調べた実験がある。
内容は、スーパーの売り場に並ぶジャムの種類を「24種類」と「6種類」の2パターンに分け、どちらが売れたのかを調べるというもの。

結果は集客は24種類が勝るが、購入率は6種類の方が10倍も高い値となった。この事から、人は選択肢の多い中では何も選べなくなる可能性が高い事が分かっている。

  • 「読みたい本が多すぎてどれから読むか悩む」
  • 「やる事が多すぎて、どれから手を付けていいか分からない」
  • 「販売数・レビュー・評価。基準が多すぎてどれが重要か分からない」

上記のように、選択肢が多い程に人は選択が出来なくなります。数多い選択肢の中から一つを選ぶのは大変です。

数多い全体の中から選択する際は「トーナメント形式」が有効だと言われています。数多い選択肢の中から2つを抜き出し、どちらが良いかを比べて勝ち残ったら次、と続けていく方法です。

一つ一つを細分化して勝敗を決める事で全体では見えなかった細部のメリット・デメリットが鮮明化し、選択しやすくなります。

自信過剰、又は過少に陥る

大きく全体で物事を見る時、人は自信過剰又は自信過少になりやすいです。先行きは見えないけどなんとかなる、もしくは反対に不安になる、と言う傾向です。

どちらも細部が見えない事が原因です。全体はぼんやりと見えているけれど、細部が不鮮明。そこを「自分なら何が起きても大丈夫」と捉えるか「見えない部分が不安だ」と捉えるかの違いです。

こちらも細分化する事で対策を取る事が出来ます。要素分解を行い、それぞれを選択していく事でバイアス(根拠のない自信や不安)が氷解していくプロセスを辿る事が出来ます。

  • 就職・転職―【人間関係・業務内容・スキルアップ・時間・給与】
  • 起業・副業―【費用・時間・手間・スキルアップ・収入・人脈】
  • 仕事・業務―【目的・期限・時間・手間・工程】
  • 投資【安全性・流動性・収益性・業界・国】

上記のように要素を分解し、それぞれを評価・選択していく事で不明瞭な物に対するバイアスを軽減出来ます。

完璧主義(0 or 100思考)に陥りやすい

全体だけを見つめてしまうと、人はどうしても0か100かで物事を判断してしまいがちです。実際は進歩があったのにも関わらず「目標値に達しなかったから失敗だ」となってしまう。
これは目標設定段階にも言える事です。

英語学習の目標を決めるときなどを例に挙げると、実際はカタコトであっても雑談レベルまで話せれば良いのに、「ネイティブくらいぺらぺらに」なんて目標を立ててしまう。

何故英語を勉強するのか。いつまでに必要なのか。どれくらいの成果が必要なのか。理想と必要を分けて、細かく考える事で実際にどこを目標に設定するかが見えてきます。

思考を反転させる

私達の思考は普段「ネガティブな状態」と「ポジティブな状態」のどちらかに偏りを持つ傾向があります。

そこで、自信がある考えについては不安要素を考える。
不安な考えについては自信が持てるとしたらどこかを考える。
という手法が使えます。

例えば、

・何か事業をする時に「この事業は絶対成功する!」と思ったら一度「失敗するとしたらどういう要因があるか」を考える。
結果として、人員・コスト・流通・クレームなど、不確定な不安要素が浮き彫りになる。

・特定の人の自分に対する態度に「あの人は私を嫌っている」と思ったなら、一度「もし嫌っていないとしたらどういう原因が考えられるか」を考えてみる。
すると、嫌な事があった直後・気分が落ち込んでいた・聞き取れなかっただけなど、他にも考えられる要因がある事に気付く事が出来る。

このように一度反対の思考を入れる事によって、結果的に極端な思い込みを軽減し、正確なリスクの分析が出来る、過度な神経の働きを防ぐ、などバイアスに囚われない思考を助けます。

事前にパターン化する

突発的な事案、特に欲求や感情に大きく影響される選択が発生した際に使えるテクニックです。

  • 「怒りが沸いた時には深呼吸をしてから状況を見直す」
  • 「不安を感じた時はメモをして置き、まとめて○時に考える」
  • 「何か欲しい物があったら一旦カートにいれて一日置く」

このように、何かバイアスに囚われやすい状況と行動をあらかじめ結び付けておく事でバイアスによるマイナスの選択を回避する事が出来ます。

「○○したら△△する」といった形の「if thenプランニング」が使いやすく有効です。

他人の目線で考えてみる

人は自分の事よりも他人の事の方が正確に見る事が出来ます。
よくある「脈ありを見抜くには友人に聞け」というテクニックですね。

しかし、自分の悩みなどが絡みやすいバイアスを他人に話すのは勇気が要り、なかなか打ち明けられないのも事実です。

そこで、自分で他人の目線を想像してみるというテクニックがあります。

  • 現状の自分を他人から見た視線で想像してみる
  • 感情を擬人化して客観的に見つめてみる
  • もう一人の自分がいて、自分を見ているイメージを持つ

なんだか危ない人みたいですが、セルフコントロールにおいて客観性が大切なのは周知の事実です。バイアスの制御も同じで、自分を客観的に見つめる事で「あ、今バイアスが効いているな」と気付く事が大事。

周囲の優秀な人に聞いてみる

前項の通り人は自分の事よりも他人の事の方が正確に見る事が出来ます。また、セルフコントロール能力も伝染する事が分かっています。

つまり出来ている人の近くにいると、自分も自然とバイアスに囚われる事なく物事が判断出来るようになるという事。
なのでおすすめは自分の悩みであるバイアスの回避が出来ている人。その上で職種が違うなど、常識や前提が違う人がベストです。

自分と近い環境の場合、同じ先入観や環境意識などを持っている場合もあります。優秀な人との繋がりは社外に持て、と言われる所以の一つです。

相談出来る相手がいる場合は相談してみましょう。きっと客観的な意見を聞ける筈です。

インセンティブ

非常に分かりやすい、報酬テクニックです。分かっているけど出来ない。そんな時に使えます。

何かを達成しようと試みる時、バイアスが邪魔をして様々な誘惑や甘えが自分を襲います。そんな時、インセンティブを設定しておくことで「ご褒美が待っている」と自分を奮い立たせる事が出来るテクニックです。

  • ダイエット中の「頑張った自分へデザートのご褒美」
  • 禁煙中の「ストレスが溜まったから一本だけ」
  • 「周りがやっていないから今日はいいか……」

特に、努力をした後(良い事をした後)や、外的要因で気分が揺さぶられた時などに発生するバイアスに対しての効果が期待できます。

また、人は一度手にした物を失うのを嫌う生き物です。より効果を期待するのならば先にご褒美を用意しておき、達成出来なければ没収というのも一つの手です。試してみるとかなり心理的障害として機能してくれます。

疲れているときは後回しにする

私達は、疲れている時やストレスレベルが高い時に判断能力が落ち込みます。これは脳が疲弊していて正常な働きが鈍っている状態です。

  • 疲弊している時
  • 落ち込んでいる時
  • 怒りを感じている時

上記のような状態ではいつも正常な判断が出来ている人でもバイアスに影響を受けてしまいます。そんな時に使えるテクニックが、一旦『後回しにする』という方法。

後回しにするといっても、そのままにするのではなく、一旦保留にして、しっかりと期限やスケジュールを組む事が重要です。

あらかじめネガティブな事を考える時間を設定しておき、「選ばなくてはいけない」と思った物を即決せずに書き留め、落ち着いて考えられる時間に改めて決定する。

そうする事で感情のブレによるバイアスの影響を和らげ、選択の後悔を減らす事が出来ます。

まとめ

人生は選択の連続です。

その大切な選択に影響を及ぼすバイアス(認知の歪み)。
後悔しない選択を日々積み重ねていく為にも、まずはバイアスを学び、自分が日々影響を受けている事に気付く事。

気付いたなら対策を講じる。そうしてバイアスに囚われず、後悔のない人生を歩んでいく。私達の人生がより良くありますように。

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